日本のエネルギー政策がどのような方向に向かうにせよ、ITを駆使して電力需要を適切にコントロールし、エネルギーをマネジメントしていく必要があるのは間違いない。
アグリゲータのビジネスモデルを確立
キーワードとなるのは、「ディマンドリスポンス」だ。電力需要のピーク時に料金設定を割高にしたり、需用者側の電力抑制の取り組みにインセンティブを支払うなどして、電力消費をコントロールする考え方で、経済産業省は、この「ディマンドリスポンス」実現に向けた実証事業を2011年度から展開している。 「世界最先端IT国家創造宣言」でも、エネルギーマネジメントは当然ながら重要施策と位置づけられている。2014年度はこうした事業を継続し、ITシステムによる電力消費量の自動制御の効果などを検証する。
また、実証事業のこれまでの成果から、ディマンドリスポンスの実現には、電力会社と需要家の中間に、小口需要家を束ね、IT技術を活用して効果的にエネルギーマネジメントサービスを提供する「アグリゲータ」が必要であるという結論が出ている。経産省は2014年度から、アグリゲータが持続可能なビジネスとして成立するためのモデル構築にも新たに取り組む。HEMS(ホームエネルギー・マネジメントシステム)やスマートメーターを通じて取得する電力利用データを活用して、新たな生活サービスを創出する考えだ。
一方、総務省と環境省は、ITを利用したエネルギー効率の向上施策である「グリーンICT」の一環として、省エネ型データセンターの構築・活用を進めている。14年度は、省エネ型のサーバーや空調設備・システムを導入するDC事業者などへの補助事業を展開する。(本多和幸)