政府CIOが誕生したのは2012年8月。リコー出身の遠藤紘一氏が就任したのが始まりだが、13年5月に「内閣法等の一部を改正する法律案(政府CIO法案)」が成立したことで、肩書きにようやく法的な裏づけができた。この政府CIOのリーダーシップの下、政府のITガバナンスを強化し、国自身が攻めのIT投資の促進と、ムダの徹底排除を図る。
政府CIOのリードで攻めのIT投資
個別の施策としては、14年度以降の事業として、前回紹介した政府情報システム改革ロードマップの着実な遂行に向けて、政府情報システムに関する投資計画を予算編成に合わせて策定する。また、各府省庁のIT投資の状況などをインターネットから国民が一覧できる日本版「IT ダッシュボード」の整備を進め、14年度に運用を開始する。さらに、「政府情報システム管理データベース」の運用によって、政府内のIT資産管理を徹底していく。
政府の情報システムの調達や、プロジェクト管理についての共通ルールも整備し、適正なコストで質の高いプロジェクト管理を目指す。具体的には、ベンダーロックインの解消による調達コストの削減や、透明性を高めたりするために、OSSの活用や政府システムの標準化・共通化や統合・集約を進める。さらに、主要なOSなどは、政府全体でガバメントライセンスを導入し、スケールメリットを生かして安価に調達する。
人材育成の観点からは、政府内の研修プログラムを見直し、2015年度以降、年間1万人が受講する体制を整える。また、現在、各府省に専属配置されている「CIO補佐官」を、政府CIOの下にプールする制度にシフトしていく方針だ。(本多和幸)