
TIS
岸本 浩
主任 マイナンバー(社会保障・税番号)制度の実施に伴い、従業員やマイナンバー管理者がオンラインで同制度を学べるeラーニング商材にも引き合いが急増している。ITホールディングスグループのTISは、マイナンバー制度に詳しいシンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングの監修を得るかたちで「マイナンバー・eラーニングセット」の販売を、この7月に始めたところ、従業員数500人以上の中堅・大企業を中心に50社を超える企業ユーザーから引き合いがきた。
同eラーニングは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが監修したマイナンバー制度の教育コンテンツをセットにしたもので、「一般従業員向け」と「マイナンバー管理者向け」の2種類を揃えた。eラーニングの特性を生かして、オンラインで学習できる手軽さと、従業員やマイナンバー管理者の学習の進捗状況や、テストによる理解度が把握でき、記録として残せる点が企業ユーザーから高く評価されているという。クラウド方式での提供も可能で、最短7営業日でマイナンバー制度の教育が実施できる。

「マイナンバー・eラーニングセット」の画面イメージ eラーニング商材を担当するTISの岸本浩・西日本産業システム営業部主任は、「すでに他社のeラーニングを導入している企業でも、マイナンバー学習に特化したかたちで導入してもらうケースが多い」と、クラウド方式で気軽に導入できることが追い風になっていると話す。
今回のマイナンバー・eラーニングセットは、もともとTISが開発してきたeラーニングソフト「楽々てすと君」をベースに、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが監修したマイナンバー教材を同梱したものだ。来年度以降、マイナンバー制度が拡張されたケースを想定して、TISでは、随時教育コンテンツをアップデートしていくことを視野に入れている。ユーザー自らが必要に応じてコンテンツを追加することもできる。TIS自身も個人情報保護や情報セキュリティといった社員研修に、自社の楽々てすと君を活用しており、「社員全員が100点をとるまで何度でも繰り返して学習させている」(岸本主任)という徹底ぶりだ。
楽々てすと君は、例えば設問を20項目ほど用意しておいて、実際の出題はランダムで10項目を出す仕組みを備えているため、「問題の内容を本当に理解していないと、満点をとるのはほぼ不可能」と、学習理解度を重視する設計にしてある。これまで累計約330社のユーザーに納入してきた。楽々てすと君を活用したマイナンバー・eラーニングセットに対する顧客の反応は予想以上によく、今年度(2016年3月期)末までの目標としている「“新規ユーザー企業を100社獲得”の達成は手堅い」と、手応えを感じている。(安藤章司)