『週刊BCN』編集長 畔上文昭
略歴
畔上 文昭(あぜがみ ふみあき)

1967年9月生まれ。金融系システムエンジニアを約7年務めて、出版業界に。月刊ITセレクト(中央公論新社発行)、月刊e・Gov(IDGジャパン発行)、月刊CIO Magazine(IDGジャパン発行)の編集長を歴任。2015年2月より現職。著書に「電子自治体の○と×」(技報堂出版)。趣味はマラソン。自己ベストは、3時間12分31秒(2014年12月)。
初めて訪れたさっぽろ雪まつり。ラッキーなことに取材のタイミングと重なった。会場には、芸術的な大雪像があれば、手づくり感満載のほほえましい雪像も。トランプ米大統領がPPAPをしている雪像には、外国人観光客が群がって写真を撮っていた。国際問題にならなければいいが(笑)。
さっぽろ雪まつりが始まるきっかけをつくったのは、70年ほど前の地元の高校生だ。遊びでつくった雪像が評判を呼び、現在の雪まつりへと発展していく。ボランティアのガイドさんが、そう教えてくれた。高校生もすごいが、それを観光資源へと昇華させた人たちもすごい。生活には邪魔でしかない雪というものに価値をもたらせた。大雪像に併設されたステージでは、ゆるキャラやご当地アイドルが雪まつりを盛り上げるなど、時代のニーズを反映することも忘れていない。
ビッグデータは、そのワードが注目された当初、エンタープライズ分野では懐疑的な視線が送られた。「ビッグデータって、何のデータ?」と。世の中のデータが爆発的に増えていたのは確かだが、多くがSNSの画像や動画だったからだ。エンタープライズ分野では、ビッグデータを抱える企業はまだ限られていた。
その流れを変えるのが、IoTだ。ネットワークにつながったモノが、企業に意味のあるビッグデータをもたらすチャンスとなる。普及期に入ったとされるIoT。企業にとってビッグデータが身近な存在となっていくことは間違いない。
ビッグデータを獲得しても、活用できなければ意味がない。ビッグデータを分析した結果に対し、「そんなことは知っているよ」と言われてしまうようでは前に進めない。そこで、AI(Artificial Intelligence)の活用という流れがみえてくる。AIによって、無意味だと思われたビッグデータに新たな価値をもたらす。そんなことを期待している。情報から知識へ。Informationは、Intelligenceへと変わっていくのではないか。
さっぽろ雪まつりに訪れた日は晴天で、陽当たりのいい場所の雪像が融けだしていた。「札幌は意外と寒くない」とガイドさんに話しかけたら、少し残念そうだった。「寒い」も観光資源の一つだと、痛感した。
『週刊BCN』編集長 畔上文昭
略歴
畔上 文昭(あぜがみ ふみあき)

1967年9月生まれ。金融系システムエンジニアを約7年務めて、出版業界に。月刊ITセレクト(中央公論新社発行)、月刊e・Gov(IDGジャパン発行)、月刊CIO Magazine(IDGジャパン発行)の編集長を歴任。2015年2月より現職。著書に「電子自治体の○と×」(技報堂出版)。趣味はマラソン。自己ベストは、3時間12分31秒(2014年12月)。