複合機を中心とするドキュメントビジネスは、ハードビジネスからアプリケーションを含めたソリューションビジネスへと移行している。リコージャパンは、複合機にソリューションを乗せたビジネスを2007年から実施。ほぼ10年、ノウハウを積み上げてきた。
平岡 昭夫
ビジネスソリューション
事業本部
テクノロジーセンタージャパン
センター長
複合機やプリンタにインストールするアプリケーションはここ数年、クラウド化が進む。ビジネスソリューション事業本部 テクノロジーセンタージャパンの平岡昭夫センター長は、「ここ2~3年、クラウドベンダーからのアプローチが増えた。アプリケーションの流行が、クラウドにシフトしてきたことを感じさせる」と話す。当然、市場の変化に合わせてリコーもクラウド連携を強化してきた。
リコー自身、ドキュメント管理を中心とするクラウドソリューションをもっている。例えば、「RICOH Smart Device Print&Scan」は、複合機・プリンタとスマートフォンなどのスマートデバイスを簡単に接続して、印刷やスキャンができるスマートデバイス用のアプリケーションだ。クラウドストレージ上のドキュメントを、スマートデバイスを介して印刷したり、スキャンデータをクラウドストレージにアップロードしたりできる。オフィスという場所にとらわれることなく、フィールドワーカーの働き方を支援する。
「中堅・中小の顧客のクラウド化はこれから。顧客のクラウドへの移行を支援していきたい」と、平岡センター長は語る。もちろん、クラウドソリューションに完全に舵を切るのではなく、オンプレミスでの販売も継続しながら、さらにクラウドベンダーのサービスとの連携に力を入れる方針だ。
複合機・プリンタとセットで提案・提供するアプリケーションが増えれば、体制を整える必要がある。顧客とアプリケーションを結びつける接点として、スマートフォンと同じように、インターネットからアプリケーションをインストールできる「RICOH アプリケーションサイト」を開設した。
ハードウェア面では、複合機やプリンタに操作パネル(MultiLink-Panel)を搭載。タブレット端末と同じように操作し、アプリケーションサイトにアクセスすることで、業務や用途に応じたアプリケーションを選択してダウンロード・インストールできる。
顧客が新たにアプリケーションを追加するには、これまでであれば、CE(カスタマーエンジニア)に依頼する必要があった。しかし、アプリケーションサイトを利用することで導入のハードルがぐっと下がり、また、小規模のアプリケーションベンダーもリコーの複合機・プリンタを介して、自社のアプリケーションをリーチできるというメリットもある。
<プリンタ×クラウド>第4回 リコージャパン(下)独自OSの搭載でUIを向上