DevOps

　開発を意味する「Development」と、運用を意味する「Operation」を組み合わせた造語で、「デブオプス」と読む。開発と運用の両部門が協力し、迅速にソフトウェアをつくる方法を指す。

　ソフトウェアの開発は、綿密な計画にもとづくウォーターフォール型と、仕様の変更に柔軟に対応し、製品化の流れを早くするアジャイル型に分類できる。

　いずれの手法も、開発部門は製品のすばやい提供を重視する。一方、運用部門は、不具合などが出ないように完成度の高さを優先する。

　同じソフトウェアの開発に携わっていても、部門によって目指す方向性が違う。そのため、開発現場では、両部門の対立が課題としてしばしば指摘されていた。

　DevOpsは、新しい開発手法として2009年頃に誕生した。対立しがちな開発部門と運用部門を統合し、開発から運用までの流れを円滑かつ高速にすることが目的だ。

　最近では、クラウドサービスが台頭し、開発や運用に必要な環境の準備が以前よりも手軽になった。企業によっては、DevOpsを導入し、部門を越えた連携を強める動きもある。

　さらに、スマートフォンなどのモバイル端末の登場に伴い、ソフトウェアの開発スピードがより重要になったことも、DevOpsの普及を後押しする要因になっている。

　実際、DevOpsを導入することで、顧客の声を即座に開発に反映することが可能になり、高い評価を得ている企業もある。

クラウドネイティブアプリケーション

　クラウドサービスでの利用を前提につくられたアプリケーションを示す。開発と運用を統合したDevOpsでの管理に向いている。

　アプリケーションはこれまで、オンプレミス型のシステム環境で利用する「トラディショナルアプリケーション」が一般的だった。

　最近は、クラウドの登場に伴い、アプリケーションの開発環境が変化。新しい形態として、クラウドネイティブアプリケーションに注目が集まるようになった。

　クラウドネイティブアプリケーションは、開発をすべてクラウド上で行うのが一般的。トラディショナルアプリケーションに比べて必要な機能をすばやく用意できるほか、APIを利用した外部連携や機能の拡張がしやすい。

　開発の際には、「マイクロサービス」と呼ばれる手法を採用する。クラウド上の小さなサービスを組み合わせることでアプリケーションが構成できるため、大がかりな投資が不要になるのが利点
だ。

　総務省がまとめた2016年版情報通信白書によると、クラウドを利用している企業の割合は増加傾向にあり、クラウドの市場は今後、右肩上がりを続けると予想されている。

　富士キメラ総研は17年2月に発表した「クラウドコンピューティングの現状と将来展望」で、「クラウド利用が一般化するにつれ、ユーザーニーズもクラウドファーストからクラウドネイティブへと変わりつつある」との分析を発表した。