東芝グループのデジタル戦略の中核企業として、実力値が上がっている。2020年は心配な1年ではあったが、21年3月期の上期の決算はコアベースで前年同期比増益となった。無駄な固定費の削減や組織の最適化が効いて、コスト競争力が上がった。

島田太郎 社長

 SIからアプリケーションの会社に転換していくという戦略を明確に打ち出していることも体質の改善に大きく寄与している。実世界で収集したデータをサイバー空間で蓄積、分析し、それを再びフィジカルに戻して改善、最適化する「サイバーフィジカルシステム(CPS)」を核にした事業戦略が実を結び始めている。特に産業別に開発しているIoTサービス「TOSHIBA SPINEX」などIoT系の商材は、当社の利益率、お客様の満足度とも高い。お客様の要望に応えてなんでもつくるという従来型のSIではなく、東芝グループのリアル、サイバー両面での知見・ノウハウや優れた基礎技術を生かし、膨大なデータを基に業務改善につなげる、つまりDX基盤を提案するビジネスに変わりつつある。

 近年、東芝グループ自身がCPSを活用して自社のDXを進めてきた。DXには出島戦略が有効と言われることもあるが、実際は会社全体でその必要性やコンセプト、やるべきことを共有して動けなければ進まない。東芝グループはまさに「みんなのDX」というコンセンサスを重視してきた。オープンコミュニティーでビジネスを推進しているIoTプラットフォーム「ifLink」など、それを社外にも展開する環境が整ってきており、21年はより多くの人・組織を巻き込んで、みんなでDXに取り組んでいきたい。