中国が昨年、念願のWTO加盟を果たした。これで、先進国の仲間入りをし、知的所有権も保護され、関税率も大幅に下がり、外国企業にとって安心できる法律が整備されるであろうと期待するのは、まだまだ時期尚早のようだ。

 実際経済特区の深 (シンセン)の町には、時計、バッグなどの有名ブランド製品のコピー製品を販売する店が堂々と並んでいる。

 外国企業にとってはわかりにくい法律は、WTOに加盟したからといってすぐに改正され整備されるわけではない。

 幸い関税と消費税に関わる部分は、もともと密輸に近い輸入部品が氾濫し、また消費税の脱税行為がほとんど公になっているため、関税率を論議する以前にシンセンのIT製品の相場は世界的にみてもすでに最低価格に近い。

 しかし、諸外国から寄せ集めた法律は、それぞれ整合性がないために、法を守ろうとすると、別な法律では解釈によっては違法になるといった具合である。

 日本企業の場合は、違法行為を恐れて、すなわち雪印のようにならないように万全の努力をするだろうが、すべての法律にひっかからずに営業できることは奇跡の技となっている。

 台湾企業はどうしているかというと、すべての部類の役人に適度の賄賂を提供しておくとか、役人のOBを顧問に雇い、違法と断定される決定を事前に防ぐ努力をするわけである。

 また、殺人や反政府活動以外は違法であって違法でないという当たり前の常識をふまえて、やらなければならない違法行為は堂々とやるという姿勢も重要である。

 結果として、当局に違法行為を断定されて払う罰金に比べて、格段に安い費用ですむわけである。

 くそまじめな日系企業はいつも、当局から手を変え品を代えて搾取される。NECなどの一部の大手は、この問題を回避するために、経験豊かなFICなどの台湾の大手と契約し間接的に中国生産をしている。(香港発)