北斗七星

北斗七星 2002年4月1日付 Vol.935

2002/04/01 15:38

週刊BCN 2002年04月01日vol.935掲載

▼最近、あるジャンルの発表が続いている。それはロボット。3月19日、ソニーが二足歩行型のロボットを開発したと発表した。身長58cmで体重6.5kg。人とのコミュニケーション機能をもつという。25日、三洋電機はベンチャー企業テムザックと共同で4足歩行型ロボットを開発したと発表。こちらは携帯電話を使ってリモートコントロールができるとか。

▼松下電器産業も黙ってはいない。同じ25日にロボット自律制御システムを開発したと発表した。さすが“家電の雄”、やはり実用性を重視する。名付けて「掃除ロボット」。障害物を避けながら部屋をきれいに掃除してくれる。かつて猫型ロボットを製品化し、毛皮の質感にこだわるなどそのマニアックぶりで一部の好事家をうならせたオムロンも続く。26日、遠隔操作が可能なロボットシステムを発表した。セキュリティ用に使えるというふれこみの試作機、見た目はまさに“恐竜”(!)である。動かなくてもそれが置いてあるだけで泥棒はビビッて退散するのでは、というくらいの出来映えだ。

▼産業用ロボットは、いろいろな分野で使われている。IT分野に限らず、製造業の生産現場で産業用ロボットが導入されていない工場はないといってもいい。ところが、ここで紹介したロボットはどれも民生用だ。これは非常に重要な事ではないか。IT業界は、パソコンの次の商材を探している。業界関係者によると、情報家電が次の主役になるだろうという。では、その次は何か。その答えが一連のロボット発表のなかに隠れているかもしれない。「店でロボットを買う時代」。夢物語と笑うなかれ。携帯電話の隆盛を見よ。「歩きながら電話する」なんて、かつて誰も実現するとは思わなかったのだから。
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