北斗七星

北斗七星 2002年4月8日付 Vol.936

2002/04/08 15:38

週刊BCN 2002年04月08日vol.936掲載

▼4月を迎え、今年も各地で新入社員の入社式が開かれた。例年に比べ一足早く春の陽気が訪れ、桜が入社式までもつか心配されたが、かろうじて花も残り、恵まれた天候のなか社会人としての第一歩を踏み出せたようだ。「業界の中で一流のプロと認められる輝く個人を目指して欲しい」(西垣浩司・NEC社長)、「当社に入社したことは、自らITのプロという厳しい道を選んだことを意味する」(大岡正明・アルゴ21社長)。人材が企業の将来を左右する時代を反映してか、社長訓示の中にはITのプロを呼びかける言葉が目立った。

▼年功序列、終身雇用という日本的制度の崩壊で、会社と社員の関係が変わりつつあるなか、「未来はやってくるものではなく、自ら創り出すもの」(庄山悦彦・日立製作所社長)、「1度しかない人生なのでチャレンジを怠らず、志と情熱をもって世の中に変化を与えて欲しい」(孫正義・ソフトバンク社長)、「大きな夢と好奇心を持ちながら不断の努力を積み重ねて欲しい」(町田勝彦・シャープ社長)と檄を飛ばす社長も多かった。

▼自己研鑽に臨んでは、「自分なりの判断基準をもち、本物を見極める目」(青園雅紘・CSK社長)を養いながら、「熱き心を忘れず」(高柳肇・コンパックコンピュータ社長)、「常に時代の一歩先」(和泉法夫・日本SGI社長)を見つめよと訴える。一方、「自分のことを好きであって欲しい」(大塚裕司・大塚商会社長)。こんな“癒し系”の訓示も。そこには「無理な背伸びなどしなくて結構。何事にも意欲をもって、人間的・知識的に日々成長して欲しい」との思いが込められている。いずれも新入社員に向け贈られたメッセージだが、新人時代が遠い記憶となってしまった人にとっても新鮮に響く。
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