Letters from the World

WiFiネットワーク

2002/06/24 15:37

週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載

 全世界各地でその設置が加速しているWiFiホットスポットにより、802.11無線方式によるインターネットアクセス環境が徐々にではあるものの確実に整いつつある。しかし、草の根的なホットスポットだけでは、広範囲にわたる領域を継ぎ目なくカバーする無線ネットワークの構築には難しい点が多いことも明らかになってきている。そこで解決方法として注目を集めているのが、自律構築型網無線ネットワークと呼ばれる移動体向けWiFiネットワーク環境だ。

 戦場へ派遣された戦闘員たちが、刻々と移り変わる状況に即応しなければならないなかで、確実かつ安全な無線連絡手段を確保するために生み出されたこの自律構築型網無線ネットワーク技術は、現在のIEEE802.11が要求する近隣の局を必要としない。PtoP型の網構成を取るこの環境では、無線端末同士がお互いにパケットをやり取りすることで、全無線端末と局間との交信を可能にしている。現在のWiFiに採用されている802.11技術では、戦場での利用を想定した場合に、20の無線端末に対しおよそ3局が必要になる。一方、この網技術では1局で足りる。経費削減および簡素化と、端末間通信の冗長化による障害発生率低減に大きく寄与する。

 今年1月、米フロリダ州に設立されたメッシュネットワークは、この技術を利用した網無線ネットワーク構築に意欲を燃やしている企業の1つ。自動車業界への働きかけを動機に、米自動車部品製造大手デルファイとの共同による網無線ネットワークの試験運用開始を発表した。 6Mbpsまでのデータ伝送速度を実現でき、またなんといっても移動体間を結ぶ網ネットワークを構築できることから、自動車を移動体端末として利用し、瞬時に全国規模の網無線ネットワークを構築してしまおうという壮大な事業計画が進められている。(CHIBA SHOTEN,INC. 千葉哲也)

(米サンノゼ発)
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