北斗七星

北斗七星 2002年7月8日付 Vol.948

2002/07/08 15:38

週刊BCN 2002年07月08日vol.948掲載

▼7月に入り、そろそろ夏休みのプランを練り始める人も多いだろう。海へ、山へと思いは巡るが、そこでふと頭をよぎるのが高速道路の渋滞だ。「東名上り60キロの渋滞」――。そんなニュースが連日流れる。渋滞の大概の原因は料金所にあるようだ。一旦停止、料金カードの提出、料金の支払い、釣りと領収書の受け取り。一連の動作をしているうちに、後ろがつっかえ、気がつけば長蛇の列と化す。

▼渋滞解消の切り札として、昨年春からETC(料金自動収受システム)が本格導入された。だが、1年経ってもすこぶる利用率が低く、ETC車載器の普及率は1―2%にとどまっているそうだ。理由は4万円前後もする車載器の価格にあるようで、加えて料金の割引サービスに魅力を感じられない点も大きい。結局、ETC専用レーンを利用する車が少ないため、一般車も利用可能な混在型レーンに切り替えられ、それがさらにETCの魅力低下を招く事態に陥っている。

▼ITS(高度道路交通システム)の先鋒として始まったETCだが、役所の青写真とは裏腹に、多額の予算を使いながら、現在のところ有効な活用がなされているとは言い難い。そもそも、建設資金の回収が済んだ道路区間が無料にならず、延々と料金所を設け続けること自体、議論の余地があろう。そんなこと考えていて、ふと「e―Japan戦略」のことが気になった。住民や利用者のニーズを的確に汲み取ってシステム構築、制度づくりが進んでいるのか。ぜひリーダーの優れた采配に期待したい。
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