パソコンじたばた日記

<パソコンじたばた日記>第9回

2002/09/02 15:26

週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載

 

 パソコンは道具でなければならない。確かに、○○とハサミは使いよう。どんな道具だって、上手に使いこなせる人と、下手っぴいはいるだろうが、下手っぴいでも「それなり」に使えなければ、意味がない。パソコンが、本当にそんな「道具」になるまでには、まだまだ、多少の道のりが必要だろう。

 が、しかし。

 ここで解決しなければならない問題が、もう1つある。それは、マニュアル。パソコンのマニュアル!

 実は、こんなにパソコン音痴の私なのに、性懲りもなく、またもPDAなんて買っちゃったのである。だって、使い慣れると本も読めるというし、メールチェックも簡単、電子手帳代わりにもなって、しかも自宅のパソコンと同期化出来ると聞けば、ちょっと「いいかも」と思うじゃありませんか。

 でも、買わなきゃよかった。本当。

 だって、まず作動してくれないのである。初っぱなから。もう、うんと慎重に、マニュアル通りにやったのに。自宅のパソコンと同期化が出来ない。

「分かりましたよ。これはマニュアル通りじゃ駄目で、出荷時に入ってた袋に貼ってある注意書きね、こっちの通りにしないと、駄目なんです」

 ほとんど毎週のように来る羽目に陥ってしまった救援隊S氏が、原因を調べてきてくれた。私は呆れた。

 出荷時の袋に? 確かに「注意」という小さな紙は貼ってある。だが、では、ただでさえ難解でわかりにくいマニュアルは、嘘を指示していることになるではないか。

 消費者をバカにしている。不親切にもほどがある。「売り手」としての心がゼロだ。はっきり言って、OA機器のマニュアルには、本当にこういうことが多い。日本語にもへたくそである。自分たちが分かっているからといって、消費者には分からないのだということを、誰か、はっきりと言ってやって欲しい。

 マニュアルの段階で挫折する消費者は、少なくないのである。
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