Letters from the World

米国の携帯電話

2002/09/02 15:37

週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載

 米国ではベリゾンワイアレス、AT&Tワイアレス、スプリント、シンギュラーワイアレス、ネクステルといった企業が全米をカバーした携帯電話ネットワークをもっている。日本の携帯電話とは異なり、電話の受け手もエアータイムと呼ばれる無線通話時間チャージは携帯電話のユーザーが支払うことになる。要するに、かける側にしてみれば、携帯をもった人がどこにいても携帯電話のあるホームまでの電話代さえ支払えば良いので、日本のように携帯電話に電話をすると高いと言うことはない。

 携帯電話をもつ側にしても、エアータイムを含んだ携帯電話料金がそれほど高いわけではない。場合によっては携帯電話で電話をしたほうが安い場合だって少なくはないのだ。携帯電話を買うと、通話プランを購入する。例えば、月額39ドルで1か月600分の通話料金が含まれると言ったプランがある。この価格には、米国内の長距離電話料金を含んだ価格になっている。また、最近では夜7時以降や週末は基本の600分以外に3000分の通話料金が含まれている場合もあるのだ。要するに携帯電話は通話料金が安いのである。

 この通話料金が安いと言うことで問題がないわけではない。日本ではテキストや画像メッセージング、メールなどが発展している。これは便利だということもあるかも知れないが、通話料金より安いということがある。それに比べて米国では通話料金が安いのでわざわざテキストメッセージングやメールを利用する必要がないのだ。とは言っても、米国でも携帯電話をデジタル端末にしようとする動きがないわけではない。AT&TはM-Modeと呼ばれるWAPベースのサービスを開始した。ベリゾンやスプリントPCSもテキストメッセージングやメールの受送信機能をもった携帯電話を発売している。今後ますます携帯が進化することは間違いないが、米国では携帯はあくまでも通話の道具であることを忘れてはいけない。(パシフィックソフトウェアパブリッシング 内倉憲一)

(米シアトル発)
  • 1