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<BCN REPORT>苦悩する富士通

2002/11/04 15:27

週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載

 富士通がまたリストラ策を発表した。昨年度(2002年3月期)約3万人規模の退職・転籍・職種変更などのリストラを実施したのに続き、今年度は9000人のリストラに踏み切る。このうち退職・解雇は7100人で、国内が5400人、海外が1700人。

 昨年度は、海外工場なども含めてのリストラだったが、今回は、国内に軸足を置いたリストラだ。「発表後、社内では退職の話題で騒然となった」(富士通社員)というのも無理はない。

 退職・解雇の部門別内訳は、ソフトウェア・サービス部門900人。情報・通信機器部門4000人。半導体・電子デバイス部門1300人。本社部門900人。サーバーやパソコン、通信関連部門の削減枠が最も大きい。

 今年度の経常利益は50億円を見込むものの、今回のリストラに伴う特別損失1500億円に加え、HDD(ハードディスク装置)不良品の補償費用として250億円を中間期に引き当てた。このため、通期決算でも、中間期の赤字がそのまま尾を引き、純損益は1100億円の赤字になる見通し。

 今回の中間期決算で、苦しいながらも踏ん張るNECに比べて、富士通の“絶不調”ぶりが浮き彫りになった。富士通は前倒しのリストラで、将来的に成長できる体制づくりができるのか?
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