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電力会社は別時間で動く?

2003/01/06 19:47

週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載

 事業統合に向けた交渉を続けるインターネットイニシアティブ(IIJ、鈴木幸一社長)と、東京電力系のパワードコム(種市健社長)は、交渉期限を3か月先送りし、今年3月末までに延長した。鈴木社長は昨年11月時点で、「2002年中には事業統合の話し合いが決着する」と楽観視していたが、リードタイムが長い電力会社との交渉は、一筋縄ではいかなかった。

 以前、ソフトバンクとマイクロソフトが、東京電力を巻き込んで無線インターネット接続のスピードネット事業を立ち上げようと試みた。だが、電力会社との企業文化の違いが遠因となり、立ち行かなくなった経緯がある。

 ソフトバンク関係者は、「当社には48時間ルールというのがある。物事を決める時、稟議メールを関係部署に出して、48時間以内に返事が返ってこなかったら“当事者が勝手に決めていい”と解釈する決まりだ。これに対して本店(東京電力本社)では、48時間以内に返信がなかったら“保留=実行するな”となる」と、何事にも稟議に時間がかかると嘆く。

 どこのプロバイダも、巨大なインフラをもつ電力会社と組みたいと考えるのは自然な流れだ。折しも、プロバイダ業界は、生き残りを賭けて大再編中。果たしてIIJは、交渉期限内に巨像を射止めることができるのか?
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