Letters from the World

米国の消費者サービス水準

2003/01/20 15:37

週刊BCN 2003年01月20日vol.974掲載

 米国在住10年になるA氏は、無線データ通信と通話の両方が可能なN社のPCMCIAカードを著名携帯電話事業者SからOEM版として購入する際に、カードNに両機能が搭載されていることを業者Sの3人のカスタマーサポートに確認した。まず、カードNの仕様をメーカーへ問い合わせたが、OEM版のため全て業者Sへ聞いてくれの一点張りだった。届いたカードNには通話機能が搭載されていなかった。

 窓口へ連絡したA氏は、近隣地区にあるサービスセンター2か所へ赴いて、両機能を搭載する別製品であるカードSを自分で探せと指示され、仕方なく2か所へ自分で電話するものの、散々待たされた挙句に在庫はないと言われる。再度窓口へ電話すると、今度はカードNをまず返品した上で更にカードSの代金を支払わなければ、カードSを提供できないと言い張る。

 カードNの購入代金を既に支払い、データ通信機能を利用しながら月次料金を払い始めているA氏にとって、1か月はかかる交換処理など受け入れられるはずはなく、窓口へひたすら状況を説明し、2週間以内に入荷するはずのカードSを業者SがA氏宅へ直送するという確約をようやく取り付けたものの、時期を過ぎても一向に何の音沙汰もない。

 痺れを切らしてまた窓口へ電話したA氏は、既にカードSを発送したと言われたものの、そのトラッキングナンバーを問い詰めたところ、さんざんたらい回しにされた挙句、発送したのは返品用キットの方で、カードSはまだ発送されていない事実につきあたる。発送した、という誤情報をその後更に2回経験したのち、ようやく届いたカードSは、両機能が搭載されてはいるものの、電話機能に問題があり通話利用はできなかった。交換のための2枚目のカードSが届くのを現在待っているA氏は、このようなばかげたことが、米国では至極当たり前のように起こるのだと、ため息交じりに話してくれた。(米サンノゼ発)
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