北斗七星

北斗七星 2003年2月17日付 Vol.978

2003/02/17 15:38

週刊BCN 2003年02月17日vol.978掲載

▼最近、ソフトメーカーから、「オンライン流通の売り上げが伸びている」という声があがるようになった。ユーティリティなどマニアユーザーに人気の高い分野は、「中規模店舗での売り上げに匹敵するほど」だという。ただし、一時期あった、「ソフトはすべてオンラインに移行する」という話はほとんど出ない。「オンラインと店頭を通じたパッケージ販売が併存していくだろう」という意見がほとんどだ。オンラインという新しいチャネルが完全に定着したというところだろう。

▼ソフトバンクのように、パッケージ販売の卸業者も、かつてのようにオンライン流通を目の敵にすることもなくなった。あるソフトメーカーからは、「オンライン流通で実績をつくったソフトであることをアピールすると、卸側はその点を評価し、初回納入数を多めにとってくれるようになる」と、オンライン流通の成果をマーケティングに生かすことができるという声があがる。ソフトメーカーにとって、オンライン流通は売り上げをあげると同時に、市場動向を測る場ともなっている。

▼その一方で、店頭流通についてはいっこうに明るい兆しが見えない。メーカーの寡占化が依然として進行している。その背景には実績のないメーカーの製品は卸、店頭側でなかなか受け入れないという事実がある。オンライン流通に希望を見出すソフトメーカーが多いのは、店頭の状況に明るさを見出せないことの裏返しでもある。なんとか、店頭流通の奮起を期待したい。
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