旅の蜃気楼

甘いもの

2003/02/17 15:38

週刊BCN 2003年02月17日vol.978掲載

▼甘いものはお好きですか。大福餅、羊羹、どら焼き。ショートケーキ、モンブラン、シュークリーム。ぜんざい、クリーム餡蜜、だんご。もう、いけません。よだれが流れ始めました。キーボードの上に、雫がポタリ。お酒は大の苦手で、梅酒の梅を1個かじると、頭痛になるありさまで、身体はいまだに未成年というわけです。甘いものには目がなく、旅をするとその土地の和菓子を食べてみる。地酒を飲む読者の皆さんと同じ行動です。1月、雪の札幌に出向いた。データクラフトの社長・高橋昭憲さんと会席料理を食べた。旨かった。久しぶりに酒豪に出会った。「いや、きのうは飲みすぎましてね」といって、「ぐびっ」と杯を乾す。「いや、お酒には、まったくまいっちゃいますよね」と笑う。こりゃ、本物だ。

▼ひょんなことから、小豆の話になった。「小豆は十勝ですよね」。「そうそう、帯広にある六花亭じゃなくて、もう一軒の店」。「柳月ですか」。「あそこの小豆も美味しいですね」。といって、数週間後に、ぜんざいと、粒あんの最中が届いた。お酒好きの人は舌が肥えていらっしゃるんですかね。ぜんざいを頂きながら、和菓子のお店の売り上げが気になり始めた。グーグルで検索してみる。柳月の年商は67億円。六花亭のそれは203億円、経常利益は28億円。道内限定販売のマルセイバターサンドをつい空港で買ってしまう。その「つい」の積み上げが、28億円につながっているんだろうか。学ぶことは多いものだ。

▼あの超有名な赤坂の「とらや」の売上高が気になり始めた。グーグルで引く。品のあるホームページだ。売上高は162億6000万円。全国銘柄が道内の店より下なんだ。お菓子の美味しさと、事業規模とはどんな関係にあるんだろうか。興味が湧いてきた。伊勢の街に「とらや」という同じ屋号でういろの旨い店がある。ホームページを探し当てた。大正13年の創業だ。ローカルなお店だが、池袋の東武百貨店で買うことができる。ういろ、とはこんなに旨い味なんだとわかって貰えます。高橋さんに送らなきゃ。(本郷発・笠間 直)
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