Letters from the World

量販店しか見ないメーカー

2003/07/14 15:37

週刊BCN 2003年07月14日vol.998掲載

 米国では、大店舗やチェーン店展開をする量販店、オンラインによるカタログショッピング会社などがIT関連機器を販売している。そして日本の家電メーカーの多くは、それらの販売会社にやっきになって商品を卸している。言うまでもなく、量販店やカタログショップは商品を置くだけ。商品のプロモーションなどは一切しない。プロモーションは広告費やフロア代金などが必要になる。量販店やカタログショップは価格が勝負だ。要するに定価で商品が販売されることは考えられない。お金を支払ってプロモーションした上に商品を安くたたかれる。それだけならまだ許されるが、メーカーに不利なリターンポリシーまである。

 リターンポリシーとは、売れなければ半年後や1年後でも商品をメーカーに送り返すことができるというもの。それだけではない。場合によっては、一度販売され開封された商品までが帰ってくるのだ。言うまでもなく、消費者にとっては、保証が長く、価格が安い量販店やカタログショップを利用するメリットは多い。しかし、メーカーにとって、そのメリットは在庫処分以外にはない。しかし、このことを理解するメーカーは少ない。目先の販売数量に目がくらんでいるのだ。米国で量販店やカタログショップに商品を卸すことは日本で考えるより簡単だ。バイヤーに良い条件で話さえもっていけば、注文はもらえる。そして流通して喜んで、半年後に返品の山という話をよく聞く。

 最近、メーカーの中には量販店やカタログショップを利用しない会社も増えてきた。売り上げよりも利益を重視する会社だ。彼らは地道に販売店を開拓しインターネットを利用した直販に力を入れている。利益率も高く、お客様との距離を近くすることで商品開発のインプットも得ようとする動きだ。残念ながら日本のメーカーにはこの動きはない。21世紀になっても20世紀の営業しかできない日本の大企業が多いことに驚かされる。(米シアトル発)
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