北斗七星

北斗七星 2003年7月14日 Vol.998

2003/07/14 15:38

週刊BCN 2003年07月14日vol.998掲載

▼快進撃を続ける阪神タイガースがIT業界でも「救世主」になる。先日、オフコンの取材であるシステムインテグレータ担当者が、阪神優勝による経済効果を論理的、かつ真剣に説明していた。オフコンは「ポスト西暦2000年問題」で、ここ2年間がリプレースの需要期にあたる。実は古いシステムをそのままにしたオフコンの多くが、関西圏を中心に残存しているという。関西景気の低迷で、システム再構築を先延ばしにする企業が多いためだ。これが優勝によるマインド効果で、一挙に「優勝したから、システム換えましょか」となりはしないかと期待しているのだ。

▼さらに続きがある。「しかも、5年おきぐらいに阪神が優勝してくれるとありがたい」とも言う。5―7年で訪れるシステムの「リース切れ」時期を優勝でアラームして、しっかりシステムを入れ替えて欲しいのだ。ここまでくると、蕫とらぬ狸の皮算用﨟とも取れる。だが、不況下に悩むIT業界は蕫マジ﨟にこの社会現象に期待する。

▼富士通の黒川博昭新社長が、就任後初めて開いた記者会見のなかでも、しきりに「タイミング」について触れていた。「製品やシステム構築のライフサイクルを意識した技術開発や出荷(納期)のタイミングが、『モノづくり』で重要になる」という。ならば、あと一歩のところでシステム導入をためらう企業経営者の背中を押すためにも、阪神優勝の間隙を縫うような「システム再構築推進キャンペーン」を打ち出しても面白い。
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