Letters from the World

RFタグへの熱い視線

2003/07/28 15:37

週刊BCN 2003年07月28日vol.1000掲載

 ウォールマート商品別RFタグ試験を停止バーコードを利用した光学的な情報の読み取り方法による商品流通管理システムが市場に普及してから既に久しい。大変に便利なシステムではあるものの、その運用に際しては商品ごとに装着されているバーコードをスキャナに読み取らせる必要があることから、少量多品種の傾向が、より顕著になってきている現代の商品流通管理環境では、もはや時代遅れになりつつあるようだ。

 光学的スキャンのもつこの弱点を無線通信を利用することで克服したRFタグが、次世代商品管理システムの本命として市場から熱い視線を集めている。RFタグは、商品に装着されているタグが発信する商品情報を無線(RF)で読み取ることで、商品を一山にしてRFタグゲートを通過させて個々の商品の情報管理を可能にする。

 この技術を個別商品対応に採用するための実装試験を、これまで米国で最も積極的に進めてきたウォルマートとジレットが、その研究プロジェクトを最近道半ばにして停止した。RFタグ技術が次世代商品流通管理システムの中核となることは間違いないとしながらも、1ドル/タグという費用負担が、商品ごとのRFタグシステムの近々の実現を大きく阻んでいるようだ。

 この頓挫とほぼ時を同じくして、入荷パレットに対するRFタグの装着を2005年までに実現することを大手100社の仕入先へ事実上命令したウォールマートは、RFタグのもつ費用対効果を見極めた上で、実践的戦略に基づく積極的なサプライチェーンの刷新事業を大胆に進めている。

 RFタグそのものの歴史は古く、技術的にも目新しいものは特にないが、このシステム実現に向けては、費用対効果をどのように克服するかという点が常に問題の焦点として俎上に上っていた。日本企業が開発したRFタグチップをユーロ紙幣へ織り込むことへの是非が欧州で取りざたされている現状をみても、RFタグ実装技術では日本市場が世界をリードしている事は間違いの無いところのようだ。(米サンノゼ発:CHIBA SHOTEN, INC. 弘中伸夫)
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