IT業界ここがポイント

<IT業界ここがポイント>4.グリッドコンピューティング

2004/04/26 15:27

週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載

文部科学省と経済産業省は、2003年度から次世代ネット利用技術「グリッド」の本格的な研究支援を開始した。

 グリッドコンピューティングのグリッドとは、電力供給網(パワーグリッド)にその語源がある。各地の発電所をグリッド(格子)状に連結させて構築した電力供給網により、経済的で安定した電力の供給を可能とするサービスにたとえられたものだ。つまり、グリッドコンピューティング環境では、地理的に分散した複数のコンピュータを高速ネットワークで接続。1つの巨大なコンピュータにみたて、その高度なコンピューティングパワーをどこからでも利用可能にしよう、というものである。

 日本での取り組みは1994年頃から産業技術総合研究所(旧・電子技術総合研究所)などで始められ、その後同所に開設されたグリッド研究センターでさらに積極的な研究開発などの取り組みが進められてきた。そのなかには、ネットワーク上に分散したコンピュータやデータベースなどを容易に組み合わせて、効率良くプログラム作成を可能とするソフト開発などがある。

 また、産学官による支援やコミュニティ活動の場としてグリッド協議会も設立され、多くの関連ベンダーや大学などが参加、普及にあたっている。

 一方グリッドの標準化は、GGF(グローバルグリッドフォーラム)という国際標準化会議で進められており、この会議は昨年初めて日本でも開催、話題を呼んだ。

 グリッドは、当初の大規模計算というニーズから、新たな一歩を踏み出そうとしている。例えば、ウェブサービス技術との融合によるアーキテクチャも提案されるなど、最近ではデータセンターや電子商取引、あるいは個人携帯端末などの共有といった目的をも含めて、ビジネスチャンスを生み出すテクノロジーとして注目されるようになった。
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