ワインの世界を訪ねて

<ワインの世界を訪ねて>2.台湾でワインめぐり(1)

2004/05/17 15:27

週刊BCN 2004年05月17日vol.1039掲載

 台湾で1週間を過ごした今年のゴールデンウィーク。飲んだワインはたったの2杯。普段は毎日ボトル半分ほど飲んでいる私にしては考えられないほどシラフな旅だった。

 台湾にワインはないのかって?

 もちろん首都、台北ならば高級西洋料理の店があり、フランス、イタリアを中心としたワインは飲める。

 しかし今回は、台湾渡航歴11回めの食いしん坊の友人を案内人に、朝は涼麺やお粥、10時頃に胡椒餅や葱餅を、お昼は名物の小龍包めぐり、またまたおやつにマンゴーかき氷や豆花、茶藝館に寄ったりしているうちに晩ご飯、夜は夜市でつまみ食いと、台湾の食を満喫。西洋料理が入る余地など1グラムたりともなかったのである。

 台湾料理店で食事時にワインはおろかお酒を飲む人はきわめて少ない。せいぜい薄い台湾酒(ピーチュー)を飮むぐらいで、後はひたすらお茶。酒とはいわゆるビールのこと。もちろんビールでもいいのだけれど、やっぱりワインが飲みたい。

 食習慣の違いとはいえ、ワイン好きにはけっこうつらい。となると食事中心でなくワイン自体を楽しむワインバーを探さねば。

 事前に、ワイン仲間でしばしば台湾を旅しているイギリス人に尋ねると、「ワインバー?台北にそんなものはないよ。それより田舎へ行ってチャイナらしい景色を楽しむのだ」とワインオタクとも思えない発言。

 同行の友人はどちらかというと酒に弱いタチで現地の酒事情には疎いが、「台湾のワインってアヤシイらしいよ」と、街でワインを買った友人の話をしてくれた。

 なんでも夜市に品揃えのよいワインショップを発見。フランスはボルドーの有名シャトーのワインが日本よりかなり安かったため、さっそく購入して店に持ち込んだ。

 ところがこのワイン、保存状態が悪い、というよりカンペキなお酢状態。あまりのくやしさに地団駄ふんだとか。

 しかし探せばあるものだ。1週間、必死で情報収集をした結果、ついにワインバーを発見。続きは次号をお楽しみに。
  • 1