▼今年1─3月の実質GDPは1・4%の増加となり、8期連続のプラス成長となった。牽引しているのは民需、なかでもデジタル家電は活発だ。既存技術のリプレースで、長期的な市場拡大が見込めるとあって、松下電器産業や京セラは、お膝元の関西で大型投資の計画を発表している。

▼「松下の新規投資は、低迷を続けた関西に住む者にとって久しぶりの嬉しいニュース」とは、りそな総研前会長で、熱烈な阪神ファンでも知られる國定浩一・大阪学院大学教授。関西経済も本格回復、とみたいが、「たとえるなら頂上だけが雲の上に出た山ようなもの」と分析する。頂上には燦燦と陽光が注ぐが、雲の下は雨、場所によっては土砂降りというのが実感だ。

▼国内消費が動き出すまで、日本景気を支えていたのは海外だった。米国の低金利政策で、米国内消費は伸び、投資機会を探してマネーが日本市場に流れ込んだ。しかし、今、米国では金利引き上げ観測がくすぶり、原油などの国際商品価格も上昇を続けている。他者に支えられて良くなった景気が、他者の影響で悪化する、という例はあまたある。

▼景気回復を裏付けるような指標や現象があるのは事実。しかし、低迷が続いたからこそ、手放しに浮かれることなく、現実を見極めることが必要。「ここぞ」とばかり熱狂するのが関西の風土。しかし、皆が勝負をかけ一斉に土俵に上ったものの、最後に残ったのは朝青龍とボブ・サップだったでは笑い話にもならない。