BCN FORUM

何事もバランスが…

2004/06/14 15:27

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 情報漏えい事件の多発により、企業の情報セキュリティに対する意識は高まるばかり。“安全音痴”の日本人も、ようやくセキュリティ対策にお金をかける時代になったようだ。しかし、その投資は果たして有効的な投資と言えるものなのか。

 あるウイルス対策ソフトベンダー社長はこう話す。「情報漏えい事件は、ウイルス感染時よりもインパクトが大きい。情報漏えいとウイルスは関係ないものの、情報漏えい事件が起こるたびに、なぜかウイルス対策ソフトも急激に売れる」とか。

 また、何をして良いか分からないユーザーが多いのか、セキュリティポリシー作成などのコンサルティングサービスが人気を集め、コンサルビジネスに参入する企業も目立ち、早くも「価格競争に入っている」(コンサルティング会社)状況だ。

 あるセキュリティベンダーは、「今はセキュリティ対策を意識するあまり、アレもコレもと手を出し過ぎてITの便利さを損なわせている」とセキュリティ投資のちぐはぐさを強調する。社員の管理は、セキュリティ対策においてポイントの1つ。しかし、“管理”を“制御”と履き違えたようなセキュリティ投資は本末転倒だろう。

 セキュリティ投資に対するロードマップをしっかりと描き、セキュリティと利便性のバランスも担当者は考えなければならない。
  • 1