北斗七星

北斗七星 2004年8月2日付 Vol.1050

2004/08/02 15:38

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

▼文部科学省がまとめた「学校における情報教育の実態に関する調査結果」によると、コンピュータを使って教科指導ができる公立小中高校の教員数は、2003年度の段階で全体の60・3%(前年度は52・8%)にとどまっているという。内訳は、小学校の72・7%に対し、中学校は53・8%、高等学校は46・1%と、高等教育の現場ほど比率が低い結果になっている。

▼政府はe─Japan戦略の中で、05年度までに「すべての小中高等学校等が各学級の授業においてコンピュータを活用できる環境を整備する」ことを掲げているが、どうやらこの目標達成も怪しくなってきた感じだ。いくらインフラやハードが整っても、これらを実際に先生が活用できなければ意味がない。

▼いまIT化の波は子供の世界にまで押し寄せ、佐世保市の小6女児事件のような悲惨なトラブルも起きている。こうした事件の原因をITに押しつけるのは簡単だが、といって「ITを子供に使わせてはいけない」との考えも時代錯誤だろう。ただし、ITという革命的ツールをどう使いこなしていくか。この点については残念ながら、人はまだ完全に掌握できてないのも現実だ。

▼だが最近、電車の中で携帯電話を大声でかける人もめっきり減ったように、活用上のルールやモラルは自然と出来上がっていく。そうしたルール、モラルについて、学校でも日頃から気軽に話し合える場を与えてあげることは大人の役目でもある。そのためにも、今後の先生のITリテラシー向上に期待したい。
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