北斗七星

北斗七星 2004年9月6日付 Vol.1054

2004/09/06 15:38

週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載

▼日本選手のあまりの活躍ぶりに、まるで盆と正月が一緒に来たような大騒ぎだったアテネオリンピック。帰国した選手たちは、どれも自信と誇り、そして安堵の表情だった。メダルを獲得した選手、実力を出し切れずに終わった選手。結果はさまざまだが、感動を与えてくれた彼らには、心からありがとうと言いたい。

▼今回のオリンピックで特に印象深かったのは、女子選手たちの活躍だ。心に残ったシーンもなぜか女子選手が多い。日本が獲得した金メダルは16個。そのうち女子選手は9個。半分以上だ。オリンピックに代表されるアマチュアスポーツ界では、もはや女子選手抜きには語れない。

▼女性の社会進出や男女の雇用機会均等などが叫ばれてから久しい。しかし、果たして日本の社会で男女平等が実現しているだろうか。男女共同参画の先進国スウェーデンでは、内閣の半分は女性、国会議員の43%は女性である。日本はどうか。ある外資系企業の女性バイスプレジデントが来日し、日本法人の役員を集めて会議を行ったところ、何十人もいる役員のうち女性はわずかに1人だったことに驚いたという。スポーツ界に比べて、企業や社会での女性の活躍の場はまだまだ狭い。

▼陸上男子ハンマー投げの室伏広治選手。最後の最後に金メダルを手にした。メダルの裏には、ギリシャの詩人ピンダロスの第8祝勝歌冒頭の一節「永遠の栄誉を証明できるのは、真実の母、オリンピア」。オリンピアは“真実の女神”。女性の活躍が目立ったオリンピックだった。
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