旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->74.京都祇園祭

2004/09/13 15:27

週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載

 今年7月16日と17日に、待望久しい祇園祭を初めて観ることができた。京都は四季折々に数えられない程訪れているが、当社の創立記念日と重なるので、祇園祭だけは観る機会がなかった。今年は役職を離れて身軽になったのと、17日が土曜の休日だったので、烏丸御池の四ツ角にある当社京都支店の7階から山鉾巡行を最初から最後まで十二分に楽しむことができた。

 16日午後、鉾町を散策し、長刀鉾(なぎなたぼこ)を始めとして代表的な山鉾をいくつか見て回った。いずれも素晴らしい芸術品ばかりで、そのいくつかは重要文化財に指定されている。円山応挙筆や左甚五郎作など当代随一の名工達の作品に加えて、安土桃山時代のペルシャやインドの絨毯とかベルギー産の織物など、贅を尽くして飾り立てた山鉾を間近に見て、歴史と伝統を誇る京都町衆の財力と心意気を強く感じ取ることができた。

 その後祭神である八坂神社に参拝した。舞殿には黄金色に輝く神輿が3基重々しく鎮座されていて、参拝人が多かった。

 宵山は大変混んでいて、浴衣姿の人も多い。その人混みの中をぬうようにして各町まちの山鉾を見て回った。大きな駒形提灯に照らし出された山鉾は幻想的で美しく、夜の街はお祭り気分に包まれていた。

 17日、いよいよ山鉾巡行である。長刀鉾を先頭に32基の「山」と「鉾」が綱で引かれて街をゆっくりと巡る。コンチキチンの鉦と笛や太鼓の祇園ばやしが響いて、祭りは最高潮に達した。広い御池通りが中央の車路を除いて両側の車道も歩道も観客で埋まっていた。長刀鉾から最後尾の南観音山鉾まで1時間40分、私はカメラを手にまじろぎもせず見入っていた。

 宵山から巡行まで、華麗な京都の祇園祭はやはり素晴らしく大満足だった。
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