Letters from the World

中国のコピー事情

2004/12/13 15:37

週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載

 日本や台湾も昔はそうであったように、今の中国は贋モノ商品や贋ブランドが横行している。その極めつけは人民元の紙幣である。

 これほど大っぴらに偽札が横行しているのには、正直言ってあきれてしまう。

 半年で2回も偽札をつかまされると、当然のことながら用心深くなる。夜、タクシーで釣り銭をもらうときが一番危ない。特にこちらが外国人とわかった場合にはなおさらである。紙の厚さや手触りなど、日頃から本物の紙幣に慣れておくことが重要である。

 深セン(シンセン)の羅湖駅のすぐ並びの羅湖商業城は偽モノ商品で溢れている。ルイ・ヴィトン、エルメス、ロレックス、モンブランなどありとあらゆる有名ブランドの、バッグ、財布、時計、ボールペンなどが堂々と売られている。

 品質もB級品、A級品、トリプルA級品などと区別されているという。これらの区分けもいい加減で、目利きが効かないと高いものを売りつけられるらしい。

 DVDやCDのコピー製品が正規品と混じって堂々とレコード店で売られている。

 コピーのソフトウェアも同様に小売り店や路上で販売される。

 これらはもちろん中国でも違法だが、“みんなで渡れば怖くない”式に大っぴらな販売がまかり通る。

 デパートや空港の販売店になると多少の遠慮があるらしく、コピーそのものは少なくなる。その代わり、怪しげな中国オリジナルブランドが溢れる。

 Dendenliとか、Cardandanだとか、ひねった名前が笑いを誘う。ロゴも本家のロゴを彷彿とさせる。

 コーヒーショップなどのサービス業の商標も怪しいのが多い。色合いが大手のスターバックスそっくりさんや、セブンイレブンの“7”の文字を反転させた“7”で入れ替えたところを除くとセブンイレブンそっくりのデザインをCIにしたコンビニエンスストアまで登場した。

 ここまで堂々としたパロディーは他の国ではなかなかお目にかかれない。(深セン発:アコードインターナショナル 原 真)
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