深夜の車窓 寝台列車再考

<深夜の車窓 寝台列車再考>6.グランシャリオ

2005/03/14 15:26

週刊BCN 2005年03月14日vol.1080掲載

 福島県に入り、郡山駅が近づくと「おはようございます」と車内放送が始まる。その後、食堂車の営業開始の放送があり、すでに身支度を整えて万全の体制で待っていた私は9号車を後に、7号車の食堂車「グランシャリオ」に向かう。

 寝台特急でも食堂車を連結しているのは、この「北斗星」と「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」しかない。これらの列車の夕食は全て予約制で、切符を購入する際、同時に予約しなければならない。フランス料理コース、懐石料理がメニューとなっている。ちなみにお値段は、フランス料理で7800円である。朝食は予約不要。和朝食、洋朝食ともに1600円。和朝食は数が少ないのでお早めに、という注意が流れる。

 午前6時39分、郡山駅を出ると同時に朝食のテーブルについた。30分程度かけてゆっくり朝食を摂ったが、その間の利用者は5人ほどと少なかった。普段の生活で、こんなに早い朝食はめったにない。ぜひとも食堂車に、という気持ちがこうさせた。

 宇都宮を過ぎ、大宮が近くなると車掌が個室の鍵を回収に来る。なんとなく、自分の部屋を取られるような気持ちになる。通過する駅のホームには都心に向かう通勤、通学の乗客が増えてきた。京浜東北線の電車と並走する。「北斗星」は淡々と走る。満腹感に浸って何気なく窓の外を見ていると、並走する電車のつり革につかまったサラリーマンと目が合った。なんだかラクしていて、申し訳ない気持ちはあったが、思わずあくびが出てしまった。

 上野駅に定時9時41分に到着。札幌から1100キロ、青森からは約630キロ。意外に距離がないようだが、これはJRの営業キロ数。八戸から盛岡の間は、第3セクターの青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道の線路を走る。その距離約108キロを加えなければならない。(今賀 至)
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