IT関連企業の2005年3月期決算が発表たけなわ。IT需要の回復基調をつかまえた企業もあれば、思わぬ落とし穴に足を取られた企業もある。また、今回はそれまでの事業構造改革の成否が問われた決算でもある。

 決算は企業の健康診断と言われる。人間ならば、ちょっと風邪気味だったり、飲み過ぎが数値に正直に現れる。企業も同様だろうが、今年はちょっとした読み違いを指摘される前に、「これは想定の範囲内」という説明でかわすシーンがよく見られる。変化が早くて、それだけ景気動向や市場環境を分析しにくくなっている。思わぬ落とし穴もそこにあると言いたげだ。

 あるシステム関連企業のトップは、不採算に陥ったシステム案件について、「当初見込みでは予測できないような、納期遅れや工数の増大などがあった」とため息をつく。そうした1つ1つの積み重ねが決算として現れるとしたら、決して「想定の範囲内」ではなく、「想定外だった」というのが本音か。

 先が読みにくい時代だからこそ、予測の精度を高める必要がある。どこに落とし穴が潜んでいるか、シビアに見る目も必要だろう。「想定の範囲」は企業によって様々だが、誤差に甘くなってはいないか?