▼総務省が来年度から全国の自治体を対象に、ITを通じて民意を問う「ネット投票」や「電子会議室」の普及を目指すという。自治体のIT化の進捗には大きなバラツキがあるが、果たして効果的な仕組みを作れるだろうか。BCNではこれまで、多くの自治体でのIT化の取り組みをリポートしてきた。電子会議室を運営してきたところや、首長や地方議会の選挙で電子投票を実施した自治体も含まれている。

▼自治体の担当者の意見を拾うと、電子会議室については一定の効果は認めるものの、その多くが「運用しているうちに発言者が決まってくる。それが果たしてマジョリティだと言えるのだろうか」という壁に当たるという。もちろん、電子会議室での誹謗中傷などは運営する側が厳しくチェック、削除しており、個人情報保護法の完全施行で今後もその必要性は増大している。つまり運営側の労力は増しているのに、その効果については疑問符がつくというわけだ。ある数万人規模の地方都市では、常時、電子会議室に参加しているのは10人程度というところもある。

▼選挙での電子投票もシステムの不具合が相次いだことで中止、または導入を見送る自治体が増えた。住民の参加を促すには、電子投票は最も効率化に役立つシステムと思われたがこの有様である。ハードも運用を含めたソフトも早急に再検討が求められる。5月22日に投票があった埼玉県川口市の市長選挙の投票率は31・7%で過去最低。IT化が地方政治に目を向けるきっかけになればいいのだが。