北斗七星

北斗七星 2005年8月29日付 Vol.1102

2005/08/29 15:38

週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載

▼まるで日本列島全体が身震いをしているようだ。昨年10月の新潟県中越地震ばかりでなく、北から南まで、小さなものも含めればいつもどこかで地震が発生している感がある。8月16日には宮城県で震度6弱を観測する地震が発生した。東北新幹線が長時間ストップして、お盆のUターンラッシュの足に影響が出た。また、夏休み中ということで仙台市内では完成したばかりのプールの天井が落下して、多数のけが人が出た。

▼地震から1週間経って、仙台市を訪れた。駅前の風景は大きな地震の後を感じさせない。仙台市にある大手コンピュータベンダーなどIT企業の現地責任者に話を聞いたが、地震の影響は「あまりなかった」と異口同音に答えている。顧客企業でパソコンがデスクから落ちたというのは何件かあったようだが、サーバーが倒れてシステムが止まったというのは皆無だったという。

▼今回の地震は予想されている「宮城県沖地震」とは異なるようだが、「30年以内に発生する確率が99%」といわれるだけに、「それなりの対策もあったのだろう」とベンダーでは見ている。夏休み中の地震ということで、教訓も得た。ベンダーにとっては顧客のシステムが安全かどうかが第一。今回の宮城県での地震は、携帯電話は発信規制がかかったが固定電話は生きていた。そのため顧客との連絡も容易だった。もし、もっと大きな被害が出たら、と考えると容易ならざる局面も予想される。あるハードベンダーでは、災害時マニュアルに見直しが必要として、その作業を始めたという。
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