【湖南省発】長沙を訪れた。この街は中国・湖南省の省都だ。湖南省は洞庭湖の南に位置する。李白は漢詩「洞庭湖に遊ぶ」の中で長江の広々とした景観を歌い。その詩に落ちる夕日を盛り込んだ。中国を訪れるたびに感動することがある。それは夕日だ。空中にぽっかり、特別に大きい“紅い”球体が浮かんでいる。赤い色でなく、“紅い”という感じで表現したくなる太陽が沈むのだ。これを見ると中国に立っているんだ、と実感する。

▼長沙の名前は経済活動の中ではあまり聞かない。が、コーエーのゲームソフト『三国志』で育った世代には馴染みのある町だ。孫堅・孫策・孫権が活躍した呉の国。西暦200年代の都市で、わが国は邪馬台国女王・卑弥呼の時代だ。中国史からすると、歴史の折り返し後期となる。なんと長い間、民族の切磋琢磨をしている国なことか。この歴史の厚みは中国にどんな民族の知恵を残しているのだろうか。

▼湖南省は中国の中部に位置している。一足先に経済発展した北京、上海、広州、深・を沿海地域という。この地域はここ十数年で垂直的に経済が発展した。どこにいっても東京と変わらない資本主義経済の街。コンビニエンスストアとファーストフード店のある町だ。その西の内陸に入った地域が中部地域となる。山西省、安徽省、江西省、江南省、湖北省、湖南省の6省だ。総人口3.5億人・中国全土の26.9%。GDPは54兆円、全土の18.8%を占める。

▼長沙は中部地域の中核都市だ。街にはビルが軒並み建っている。が、沿海地域に比べて5年ほど遅れている印象だ。この街で「第1回中国中部投資貿易博覧会」が開催された。中央政府の商務部の主催だということを強調したい。「お上」の意向で、これから世界からの投資を積極的に受け入れる、というわけだ。開始のゴングを聞きに長沙に出向いた。9月25日が初日だ。大きな会場だ。入り口では気分の高揚するリズミカルな音楽が大きなスピーカーから、がんがん流れている。日本からは1000人が訪れた。中国政府からの依頼で日本の政府機関が人数をそろえた。昔流にいうと、頼まれ遣唐使ということか。JETROの政府視察団として、会場に入った。続きは次号で。(BCN社長・奥田喜久男)