▼2月初めの伊豆は、寒桜と梅が満開だった。早い春はありがたいが、背景に地球全体の温暖化問題が影を落としているとすれば、薄ら寒いものがある。国連の発表では向こう100年で地球の平均気温が6.3度上昇するという。統計数値は実感に乏しいが、狂い咲きのような早咲きの桜を目の当たりにするとなんとも不気味だ。

▼環境汚染や温暖化の問題は、政治経済とは相反する問題のように扱われてきた。しかしどうも風向きが変わりそうな気配がある。日本でも上映が始まった地球温暖化のドキュメンタリー「不都合な真実」は、アメリカのゴア元副大統領が主人公だ。内容は確かに環境問題や地球温暖化に対する警鐘だが、大統領選挙を念頭に置いた民主党政権への世論づくりという臭いがしないでもない。情報スーパーハイウェイ構想を打ち立て、米国ネット経済を構想した立役者だけに、政治的な戦略と無縁というわけではないだろう。

▼環境問題は、経済的には二酸化炭素の排出権ビジネスとも絡んでいる。政治的には、欧米先進国対中国、インドの覇権争いの側面もある。日本は理念では先行していても、二酸化炭素削減などの施策面では立ち後れが目立つ。アメリカが豹変すれば、経済的にも影響は小さくない。温暖化対策はITビジネスには追い風だが、企業単位での対応を迫られれば経営の重い足かせとなる。風向きがどう変わるかはともかく、経営の実際的な課題として正面から取り組む覚悟を迫られそうだ。