▼オープンソースソフトウェア(OSS)の代表的なライセンス方式であるGPL(ゼネラル・パブリック・ライセンス)が、近く16年ぶりに改定される。改定作業に参加している東大大学院研究員の八田真行氏によると、「フリーライダーを禁止する条項が規定されるほか、国際的な共通性と他のOSSライセンスとの相互運用性が盛り込まれる見通し」という。

▼フリーライダーとは、OSSのプログラムを組み込んだパッケージ商品を販売して利益を独占する行為を指す。GPLはコピーレフト(複製配布の推奨)が原則だが、開発者の知的財産権を尊重する点では商用ソフトに引けを取らない。フリーライダーはOSSの精神を踏みにじる行為というわけだ。

▼しかしそれを禁止するといって摘発の具体策は見えてこない。また国際的な共通性は、各国における知財権保護にかかわる法制に適合するよう、表現に配慮を加えるという。他のOSSライセンスとの相互運用性についても同様だが、条項の表現に多少手を加えたところで解釈の問題が生じるので、実効性に疑問がある。

▼GPLライセンスの改定を事大的に論じる意識は、マイクロソフト、オラクル、SAPなどに代表される海外企業に依存する構造と全く違わない。日本の社会環境や商習慣にマッチした〝パブリック・ライセンス〟があってもいい。Rubyなど日本人が作ったOSSが世界中で流通していることを、当の日本人自身が知らないのではないか。