北斗七星

北斗七星 2007年4月2日付 Vol.1181

2007/04/02 15:38

週刊BCN 2007年04月02日vol.1181掲載

▼「さっぽろ雪まつり」を観ようと、バッグを預けるため札幌駅でコインロッカーを探した。従来型の「鍵式」は満杯で、右往左往していたところ、鍵なしの「電子式」はガラガラで難なく収納を完了。安堵したところに、ご婦人数人が「やり方教えて」と聞いてきた。その後に来た人にも〝ご教授〟申し上げたため、結局、30分間を無駄にすることとなった。

▼電子式コインロッカーは、画面の案内に従って、収めるロッカー番号を打ち込み、荷物を入れたボックスの扉を閉めると、レシートが刷り出される。印字された番号を打ち込むか、バーコードを画面に当てれば荷物を取り出せる。最近では、携帯電話を鍵代わりにしたり、電子マネーカードを利用できる機器が登場している。だが、ITの利用に慣れた北斗子でさえ、初めは戸惑った。鍵の紛失を防ぎ、空きロッカーの数を把握するなど管理者には便利だが、利用者に不便を強いている気がする。ITを駆使して電子化すれば便利になる部分と、アナログを残すべき部分があるはずだ。

▼千葉市にある老舗の漬物卸会社「千代田漬物」は今から8年前、「必要性を社員に理解させないまま」ITを導入して、全社員の3割が退職する憂き目にあった。この反省に立ち、全社員参画型で業務全体を見直して新たなIT投資を行い、経営を立て直した。国は「ITの利用・活用」を掲げているが、利用者の利便性を最大限考慮したIT化でなければ、ITは「宝」ならぬ「ゴミ」にもなる。
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