この原稿を書いている時点では、まだiPhoneは市場には投入されていない。しかしその人気は想像を絶し、すでに多くのショッピングサイトにはいくつものiPhoneが出品され、eBayでは正式発売前の出品が停止される有様だ。3G携帯ですらないことや突出した高価格、そしてキャリア提供がシンギュラーであることなど、多くの否定要素が指摘されているものの、iPod同様にあらゆる批判を封じ込めるほどの大ヒットとなることは確実と見られている。

 iPhoneに期待しているのは、アップルやシンギュラーばかりではない。キャリアやメーカーのみならず、多くの携帯電話関係事業者も、iPhoneが市場を刺激し、新たな需要喚起に結びつくことを期待している。

 MVNO事業者やコンテンツを提供するメディア大手は、参入初期のもたつきを一気に解消したいところだし、ソノピアのような新サービスを提供する企業も目につくようになってきた。

 iPhoneが、米国携帯電話業界に一陣の風を吹かせるのは間違いないだろう。しかしその風で桶屋が儲かるかどうかは、今の時点では確実なことは何もいえない。今しばらく推移を見守る必要があるだろう。(ニューヨーク発 ジャーナリスト 田中秀憲 )