北斗七星

北斗七星 2007年8月6日付 Vol.1198

2007/08/06 15:38

週刊BCN 2007年08月06日vol.1198掲載

▼「次の駅でおりまして、3番線ホームへ…」。乗り換えの案内放送で、いつも気になる言葉遣いがある。「おりまして」とは、果たして丁寧語なのか?

▼美しい日本語を使おうというので、関連する書籍が書店に並べられ、よく売れている。お役所でもみだりに外来語を使うなというお達しがでて、役人が好む「スキーム」などが槍玉にあがったりしている。「日本人なのにローマ字でというのはおかしい」と“かな入力”にこだわる人物も身近にいる。

▼IT業界では日本語だけで通すのは難しい。それにしても、わざわざ外来語(英語)で表現しなくても、と思える用語も少なくない。ソリューションなどは「課題解決」などと表記したほうが理解しやすいはずなのだが、それではあからさますぎて身も蓋もないということだろうか。含み(あるいは重み)をもたせる表現として、わざと分かりにくい表現をするというのは日本人の特性なのかもしれない。その曖昧さが、要件定義など肝心な工程で勘違いや理解不足を引き起こしていないか。

▼7月29日の参院選で与党が大敗を喫した。参議院での議席減少が議会運営をやりにくくすることは確か。この影響がIT産業界にどんな形で及ぶかは不透明だが、今回の選挙を通じて明らかになったことがある。閣僚の相次ぐ「不適切な発言」や「説明責任からの逃避」がモロに響いたことだ。選挙の争点となった年金問題も、言葉遣いがもとになって新システム構築に支障がでなければいいがと懸念する。
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