北斗七星

北斗七星 2007年11月26日付 Vol.1213

2007/11/26 15:38

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

▼「セクハラなんて言葉がない時代に生まれたかった」。ある雑誌が行った「職場のセクハラに関する意識」の調査にこんな回答があった。実際に悩まされている女性には不謹慎かもしれないが、自分の言動がセクハラととられはしないかと、びくびくしながら職場生活を送っている男性社員の姿が目に浮かび、つい苦笑してしまった。

▼びくびくするといえば、もうすぐやってくる「内部統制」の適用を受ける上場会社や周辺の中小企業もそうだろう。J-SOX法にまつわる内部統制は、IT業界にとって追い風となるので、悪者扱いはできない。それにしても「内部統制」という用語は何とかならないものか。統制という言葉には、窮屈、萎縮という後ろ向きな姿勢がついて回るような気がしてならない。例えば、「内部見える化」などという表現なら、社員が積極的に取り組んでいくイメージがある。いずれにせよ、社員の理解や協力がなければ内部統制は実現できないのだから、積極性を引き出すような呼称にしたらどうかと思う。

▼規制緩和の時代などといわれるが、企業経営を取り巻く環境はむしろ規制や規律が厳しくなってきている。このところ世間を騒がせている企業不祥事の大半は、お家大事の時代にはほとんどなかった「内部告発」で明るみに出たものだ。それらを経営の阻害要因と受け取るか、それとも企業が真摯に取り組むべき商いの道標と捉えるかで、大きな違いがでてくることは間違いない。
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