BCN FORUM

サブプライム問題、ITへの影響は

2007/12/10 15:37

週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載

 サブプライムローン問題は、金融機関のIT投資を抑制するのか。

 米国で起きた信用度の低い人や低所得者向けの住宅ローン「サブプライムローン」の焦げ付きにより、株価が下落するなど、世界経済に大きな不安の影を落としている。つい先日は、借り手が金利引き上げの停止を求めてデモを行ったことが伝えられている。

 日本国内では、このサブプライムローン問題がどの程度の影響を及ぼすものなのか、実感できないでいる。米国では感謝祭以後のシーズンが大きく消費を伸ばすという。感謝祭翌日の金曜日は小売業者の売り上げが良好で、黒字を計上することから「ブラック・フライデー」と呼ばれている。クリスマス商戦に突入する稼ぎ時の時期でもある。だが、今年は買い物を自粛する家庭も多かったようだ。サブプライムローンの不良債権は100兆円にも上るといわれている。

 日本では、金融機関のIT投資は今後も勢いを持続していくと強気に予想するベンダーも多い。サブプライムローンの不安は確かにあるとしながらも、「金融機関のIT投資は過熱している」「成長のためには持続的なIT投資が不可欠」とみているのだ。

 だが、その一方で懸念を表明するベンダーも存在する。備えあれば憂いなし、最悪のシナリオを想定した対策を講じておくべきだろう。(環)
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