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OSSはメンタルケアに効果的?

2008/01/07 15:37

週刊BCN 2008年01月07日vol.1217掲載

 あるOSS関連団体の加盟企業を集めた座談会。余談で「プログラマの健康」について話が盛り上がった。

 IT業界ではプログラマの労働状況を「3K」と呼ぶ。「きつい・厳しい・帰れない」がその由来。最近は、強引に受注してきた開発案件を、納期に間に合わせなければならないプレッシャーで、うつ病にかかるプログラマが増えてきたとか。モニターと向き合いプログラムにひとりで格闘、人と会話する機会は営業など他部門に比べて少ない。孤独になりがちで、人と接することで解消できるはずのストレスがそのままたまりやすいのがプログラマ。精神病にかかる人が多いという実態も分かる気がする。現場をあずかるマネージャーは、「プログラマのメンタルケアにも真剣に取り組まなければならない」という。

 興味深いのは、OSS関連のプログラマは、「うつ病にかかりにくい」というのが座談会参加者の共通の見方だったこと。「OSSは個人が作り上げたプログラムを公開し合い、みんなで作り上げる。他のプログラマとコミュニケーションを取る機会が多く、悩みや不満を共有し合える」というのがその理由だ。

 OSSとそうでない分野のプログラマのうつ病患者比率といった特異なレポートは見つからなかったが、人とのコミュニケーションがストレスを解消する有力な方法と感じる記者からすれば、この論はうなずける。(鈎)
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