▼最近の街中を見渡すと「カーキ色」を身に纏う若者が目立つ。「カーキ」とは本来「土埃」を意味する言葉で、「茶色がかった黄色」として定義され、軍装色を指す。色彩心理学によると「闘争心を煽る色」とされている。だが、国内刑務所の寝具に使われているようで、精神の落ち着きが求められる場所でカーキ色を採用するのは、不適切といえよう。

▼日本ファッション協会が、流行しつつある「暮らしのトレンド」などを基に決める「流行色」はここ数年、黒やグレー系統が多い。格差社会が鮮明になり、就職前や就職して間もない若年層には、「闘争心」を駆り立てても、事態を打開できないと、内心で感じているのかもしれない。ちなみに、1990年代の「バブル崩壊」当時は、紺ブレザーやネイビー色が流行した。ある色彩心理学者は、この時代を「自己啓発、自分探しに向かう時代」と分析。90年代と現在は、国民心理で似たところがあり、「歴史は繰り返す」の法則に当てはまっている気がする。

▼日本経済は企業による徹底した構造改革を断行したことで、「バブル崩壊」の二の舞は避けられる、というのが一般的な見方だ。ただ、サブプライムローン問題など、世界の金融情勢が混沌としている。実際に消費の減退や販管費の増大など、先行きの不安材料が顕在化し「次なる改革」が求められている。各産業と密接に関わるIT業界も影響を受けやすく、需要低迷時にも耐えうるビジネスモデルの創出が必要になるだろう。