BCN FORUM

販社統合、実は採算維持が理由

2008/04/07 15:37

週刊BCN 2008年04月07日vol.1230掲載

 リコー(近藤史朗社長)は3月31日、事務機の国内販売会社を現在の35社から7社に経営統合すると発表した。昨年12月、近藤社長に取材した際、「オフレコだが、6社に統合するよ」と漏らしていたが、1社分を換算し間違っていたようだ。

 大手企業の多くが本社一括の「集中購買」をするようになったのがその理由だ。県別に所在する大手企業の拠点が独自に購買を決定するケースが減ったことで、同社の体制も変えざるを得なかったという説明だ。

 しかし、リコーの販売会社の優れた点は「県別販社体制」で地域密着型であるところにあったはずだ。このことについて、同社の販売会社で県別体制を2005年に崩したリコー販売は、「従来の独立販社と同じレベルのサポート体制は維持する」(畠中健二社長)と語り、むしろ、各県でもつノウハウを集約化することによる効果が大きいと判断しての改編だったと語る。

 以前、独立採算時代の山間部にある販社「○○リコー」に取材した際、そこの社長はこう嘆いていた。「営業車のガソリン代や事務所の電球1個をも切りつめるほど、苦労している」。間接部門の費用を独立採算で維持することに限界を感じていたという。「集中購買の進展」という時代の流れもあるが、粗利益を確保するためにも経営統合は当然の流れだったのだろう。(吾)
  • 1