旅の蜃気楼

また一つ、蕾がふくらんだ

2009/03/23 15:38

週刊BCN 2009年03月23日vol.1277掲載

【大阪発】才能が花開くとき、人は輝く。大垣養老高校2年生の寸田将成さんが、メガソフト主催の「第11回3Dマイホームデザイナーコンテスト」のグランプリを獲得した。受賞作品は「総合体育館」「アイディア満載の賃貸住宅」の2作品だ。10歳から87歳の人たちが、630作品を応募。そのなかからの受賞なので、「僕が選ばれていいんでしょうか」。はにかみながら、とても嬉しそう。とはいえ、彼は新人ではない。このコンテストの常連なのだ。中学生の時からもう3回目になる。主催者は1回目の応募の時、その出来栄えに驚き、本人の作品かどうかを確認したほどだ。メガソフト社長の井町良明さんのコメント。「レベルがまったく違うんです。誰かが手を加えているんじゃないかと思いましてね」。

▼作品の出来栄えは、審査員評に現れている。「これは驚きました。設計、意匠のいずれもプロ顔負けです。すばらしい作品だと思います」。授賞式は3月14日。表彰は11部門に及び、およそ50名が全国から集まった。地下鉄御堂筋線・江坂駅前の東急インで行われた。ここはメガソフトの本社所在地で、式典の合間に数分歩いて本社の開発体制を視察する催しもあった。寸田さんはご両親と参加した。受賞後に、一緒に写真を撮らせてもらった。

▼どんなお子さんですか。「子供の頃から広告チラシの裏側に、間取りなんかを書いていましたね」。お父さんは建築関係のお仕事ですか。「いや、農家です。小松菜とか葱を作っています。突然変異ですね」と微笑みながら、答えてくれた。彼の初の応募作品は第9回目の「洋和風の家」で、激励賞受賞。2回目は第10回スクール部門個人作品「MODERN」で応募。そして3回目でグランプリの受賞だ。「毎年、彼の作品は体の成長とともに大きく育っています」と、井町社長。気になるのは、寸田さんの将来だ。「はい、将来は決まっています。行きたい会社も決めています。住宅関連です」。はにかんだ表情はお父さん譲りのようだ。才能が開花する時、みんなでエールを送りたい。(BCN社長・奥田喜久男)
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