北斗七星

北斗七星 2009年5月25日付 Vol.1285

2009/05/25 15:38

週刊BCN 2009年05月25日vol.1285掲載

▼大阪・茨木市役所に勤める知人から、市内の私立高校で生徒が「豚インフルエンザ」に感染したと早くに報が届いた。知人は不眠不休の対策に追われ、感染経路や他の地域へ拡大する可能性などの事態を見守った。だが、この騒ぎは一過性に終わらず、ついに企業の現場にも拡大した。感染経路は、いまだ判明しない。このまま「パンデミック(汎発性流行)」に広がる可能性は否定できない。

▼豚インフルエンザについて、まだ日本での関心が薄かった頃の話。大手SIerなどからは企業のIT部門などに向けた「新型インフルエンザ対策」と銘打ったIT関連のソリューションが登場した。出始めた時に取材を申し込んだが、「売り物にはならない」と、冷ややかな目で見る向きがあった。だが、ここまでウイルスが“侵攻”した状況下にあって、社員が少なく影響度が大きい中小企業に対して、IT面での支援が必要になってきた。

▼新型インフルエンザの世界的流行の下で「事業継続」するには、代替、隔離、分離就業などが考えられる。今回のウイルスは、弱毒性だが感染力が強い。学校だけでなく企業内にもじわじわ押し寄せるだろう。緊急の事態に備えるため、「在宅勤務」用のITインフラを構築すべく対策が求められそうだ。例えば、USBデバイスを挿して自宅PCをシンクライアント化することなどは、簡単で早急に手が打てる。不謹慎かもしれないが、企業が緊急対策に頭を痛めている時こそ、「売り手」の提案力が試されるのだ。
  • 1