北斗七星

北斗七星 2009年8月31日付 Vol.1298

2009/08/31 15:38

週刊BCN 2009年08月31日vol.1298掲載

▼ニンテンドーDSなど、携帯型ゲーム機の通信方式「すれ違い通信」が流行中だ。筐体が通信範囲内に認識された時、すれ違う程度の短時間のうちに端末間でデータのやり取りができる。DSの人気ゲームソフトのユーザーが、レアなアイテムや自分のプロフィールなどを「すれ違い」ざまに交換することがブレイク中。新しいコミュニケーション・スタイルに、企業利用の可能性を予感する。

▼中小企業診断士事務所のドモドモコーポレーション社長でITコーディネータでもある遠田幹雄氏は、自社サイトでこう綴る。「出勤タイムカード代わりに活用し、出勤記録を取ると同時に会社や同僚の人たちと情報共有することにも役立てる」。通常、グループウェアなどの情報を共有するシステムは「能動的」に記述することで成り立つ。この事務作業をDSなどで賄おうという提案で面白い。

▼教育現場では、学習でDSが実際に使われている。例えばこうだ。先生が授業開始時に家で予習してきた内容を知るために、生徒のDSに通信で問題を出す。生徒が答えると、回答率が瞬時に先生の端末に集まり。習熟度に応じた授業ができる。

▼IT業界では「コンシューマライゼーション」という言葉をよく使う。ブログやSNSなど一般利用されてきた仕組みが企業利用されることを指す。いまや社外で使う端末はパソコンに限らない。携帯電話などの利用は拡大中だ。むしろ、普段使い慣れている端末のほうが、利用率が高まるに違いない。
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