旅の蜃気楼
東京の下町に芸術の花咲く
2009/10/13 15:38
週刊BCN 2009年10月12日vol.1304掲載
▼イベントの一部を紹介する。科学博物館のインカ帝国のルーツの展示会、東京藝術大学の油画科の現在と美術資料、浄名院で開かれるヤナカヤガイ「無」、喫茶店「谷中ボッサ」の詩と音楽、裏路地の空き地にテントを張って物産を販売するアフリカの子供のためのチャリティーアートイベント。こんな形で、イベントはさまざまな規模、さまざまな組織、さまざまなグループの人たちの思いによって成り立っている。これが町おこしなんだと、感動する。
▼イベント会場は一枚の地図チラシに記してある。この裏表に44か所のイベント会場と、上野、谷根千地区で文化的な匂いを発信する店が4色カラーで印刷してある。その中のひとつに、往来堂書店がある。この書店には、立ち寄ると必ず本を買ってしまう“誘惑”が待ち構えている。アマゾンでは味わえない空気がある。まずはカウンターに置いてある『往来っ子新聞』を手に取る。9月29日発行、通巻第16号。A4判両面印刷。新聞の割付で、発行人は笈入建志さん。創刊号のトップ記事の見出しは「大不況には本を読む」だった。谷根千の裏路地には、若い感覚のお店がどんどん増え続けている。古い町に明日の匂いがします。旨い蕎麦屋店もあります。探してみてください。(BCN社長・奥田喜久男)
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