【上海発】日本語の上手な中国人と話していた。年のころは40代だ。「お子さんは何人ですか」「奥田さん、中国は一人っ子政策でしょ」。そうだそうだ。間抜けな質問をしてしまった。ここは中国だった。上海でのことである。ホテルにチェックインして、インターネットの接続をする。このホテルは前回も宿泊したのだが、どうもネットの接続がうまくできない。今回も挑戦したが繋がらない。諦めてフロントに電話し、技術屋を呼ぶことにした。その依頼をした日から2日後に技術屋がやってきた。その間に3度、フロントに催促をしている。なるほど、ここは中国だ。
▼彼が部屋に来た。長身の20代の青年だ。あまり身ぎれいではなかったが、オタクっぽい知的な雰囲気を漂わせていた。パソコンを触り始めた。「問題はそこからなんだよ。そこまではできるんだよ」。案の定、彼もできない。そこで彼はIPアドレスを入力し始めた。それでも接続ができない。策が尽きたのか。「10分後に戻ってくるから」といって、部屋を去った。10分後にはネットには入れるぞ、しめしめ。20分待った。30分待った。どうしたのだろうか、聞き違えたのだろうか。まあいいや、2日も待ったのだから、でも来ないな、と思いつつ会食の予定時刻が迫ったので、こちらも部屋を後にした。ついに最終日が来た。フロントに事の顛末を伝えた。「よく分かりません」の一言で終わった。そうだ、ここは中国だった。
▼中国の市場は広大だ。とくに上海は万博の開幕で賑わっている。現地で会った人は合言葉のように「4倍ですよ」という。どうも“4”という数字がキーワードのようだ。速くではなく、とてもとても速く、といったニュアンスだ。街の流れはそんな速度で動いている。道路は混んで交通マナーが悪い、と思っていたら、幹線道路のマナーは良くなっていた。クラクションの音が減った。
▼BCNは今後、国内と同じレベルで中国の取材を開始します。沿岸地区と内陸のおよそ20都市を対象として、現地で活躍している企業の素顔を取り上げていきます。乞うご期待。(BCN社長・奥田喜久男)

万博の開幕に沸く上海。これが入場券